Earnest Tennis Academyのブログ

大分県のジュニア選手対象のテニスアカデミー!

眼について

先日あるレッスンでの出来事です。

 

ジュニア選手のサーブを見ていた時ですが、どうしてもトスをあげる時に頭を傾げるのです。必ず右側が上がって左耳が下になるくらいになります。

 

その結果体軸は崩れ、トスもバラつき、サーブも入りません。

 

最初はバランスの練習をしたり、身体のコントロールについて指導していましたが、ちょっと思いついて正面から選手のサーブを見てみました。普段から色々な方向から見るのですが、彼の視線を見てみたかったのです。

 

そうすると、実際トスを上げる時に両眼がかなり右上を見ている状態になっていました。例えるなら顔をそのままにして、眼だけで見える一番右端まで見て、その状態で見える右斜め上を見ている感じです。

 

それを確認した上で、本人に「サーブのトスを見る時に、どっちの眼で見てる?」と質問しました。

本人は最初はキョトンとしていましたが、実際もう一度打ってみて「右眼でしか見ていないです!」との事。

 

結果左に傾げた頭をスイング時に逆に引っ張ってしまい、インパクト時は前を向いてしまっていました。

 

今迄の打ち方で良いから、左眼でも見える所で打ってみるように指導すると、最初はぎこちなさそうでしたがトスが両眼で見えてくるとセンターにバカバカとフラットサーブが入る様に!!

 

身体のコントロールやバランスも、全く言ってないのにほとんどが改善されていました。

 

また次の日に他の選手のサーブを見ている時も同じ事がありました。

 

左利きの女子の選手ですが、アドサイドからのワイドサーブは得意なのに、デュースサイドからのセンターが入らないとの事。同じ様に最初は打ち方の指導などをしていたのですが、前日の経験もありアドサイドとデュースサイドで「どう見てるか?」を質問してみました。

 

本人曰く、

 

アドサイドから打つ時は左眼で

 

デュースサイドから打つ時は右眼で

 

見ているとの事でした。実際デュースサイドから打つ時は必ずトスが右に流れて、スイング時にも身体を不自然に右に倒しながら打っていました。彼女にも同じくデュースサイドのサーブの時に左眼で見て打ってみる様に指導しました。

 

結果としてコントロールは劇的に上がりました。トスも安定して右に倒れる感じもほとんどなくなったのです。

 

この選手には練習後にある実験をしました。パワーポジションで立ってもらって、目の前にボールを出します。そのボールを顔を動かさずに眼だけで追っかけてもらったのです。

 

左右、上下、奥行き、八の字に回してミックスさせて…。そうした時に眼の動きが引っかかる動きをしていました。

 

その後フォアハンドストロークの球出しをしました。いつもはひねれずにちょっと前を向いたまま打っているのが、右眼でボールを見る事を意識するだけで、スムーズに打てる様になりました。前を向いたままの打ち方なので、ついついクロスに流れてしまう事が多かったのですが、ほぼ綺麗なストレートに狙い通り飛びました。

 

この二つのレッスンでの出来事をキッカケに、今は他の選手の眼使いに注目してレッスンしています。

 

「身体の使い方が上手くない」と言う方は、実は「眼の使い方が良くない」のかもしれません。

 

テニプラコーチのnoteにもあった「庭球眼」を獲得する為にも、こうしたチェックは必要だと痛感する出来事でした。

 

勿論大人の方のプライベートレッスンでも試してみました。片手打ちバックボレーの打点がどうしても分からずに、スピードボールをクロスに展開出来なかった方が「めちゃくちゃ打ちやすくなった!」と言っていただけました。

 

視力が良いとか、動体視力とか、そう言うものではなく眼使いが良いという事。それは知らないと凄くストレスを自分にかけている事にもなると思うのです。

 

自分で「心技体」ではなく、「心技体眼」だと言っておきながら、こうして生徒側からの学びがあり気づかされることがたくさんあります。

 

そして「目は口ほどに物を言う」ではないですが、眼使いはメンタルとも密接に関わっています。五感の中で一番獲得出来る情報が多いのは視覚ですから。

 

今回はレッスンでの出来事を通じた自分の学びを書いてみました。

 

今回も読んでいただいてありがとうございました。不定期にしか書けませんが、その分内容は頑張って書きますので、今後ともよろしくお願い致します!